Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
「ハハハハ……、きみは変装の名人のくせに、他人の変装は見やぶれないんだね。ハハハハ……。」
小林少年に笑われても、四十面相は、かえすことばもありません。こわい顔をして、じっと吉村少年をにらみつけながら、
「だが、おれは、きみの手足を、しばっておいたはずだが……。」
と、ふしぎそうな顔をしています。
「ぼくね、縄ぬけ術を知っているんだよ。手をうしろでしばられるときに、うまく両手をくんでいたんだよ。だから、すぐにぬけられるんだ。そして、手さえ自由になれば、足の縄がほどけるし、さるぐつわもとれるんだからね。」
吉村少年は、洋服だんすの外へ出ながら、得意らしくいうのでした。
そのとき、小林少年のうしろに立っていた五人の刑事のひとりが、パッと前に出たかと思うと、吉村少年をだくようにして、もとの場所へとびかえりました。
吉村少年は、五人の刑事にとりまかれ、もう四十面相は、手だしができなくなってしまったのです。
「四十面相、きみも運のつきだッ、さあ、手錠をうけろッ。」
四人の刑事が、サッとピストルをとりだして、ねらいをさだめました。そして、ひとりの刑事は手錠を持って、四十面相に近づいていくのです。