Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
「なにもいやしないじゃないか。いったい、なにがいたというの?」
おとうさんは、窓ガラスの外の暗やみを、じっとすかして見ていましたが、べつにあやしいものもいないのです。
こうもり男は、とっさに、庭の木のしげみに、身をかくしてしまったのかもしれません。
「夕がた、うちの屋根の上に立っていたあれよ。こうもりみたいな人よ。いま、あの木の前で、黒い羽根をひろげていたのよ。」
スミ子ちゃんは、おびえきった声で、ささやくようにいうのでした。
「なにをいっているんだ。だれもいやしないじゃないか。スミ子は、まぼろしを見たんだよ。こうもりのような男が、この世にいるはずはない。気のせいだよ。さあ、こっちへおいで。」
おとうさんは、そういって、スミ子ちゃんを、テーブルのほうへつれもどしました。
そうはいうものの、淡谷さんも、泥坊が宝石をねらっているのかもしれないと思うと、すこし心配になってきましたので、いそいで宝石ばこにかぎをかけ、書斎の金庫の中へしまって、金庫の暗号のかぎをまわしました。
暗号のかぎというのは、金庫のとびらにダイヤルがついていて、そのダイヤルのまわりに、ABCからXYZまでの、二十六字がきざみこんであり、それを自分だけ知っている順序で回しておいて、そのつぎひらくときにも、そのとおりに回さないと、ひらかないしかけに