Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
幸一くんは、前にまわって、そこにしゃがんでいる男の顔を見ました。
なんだかへんな男です。からだのかっこうが、みょうに角ばっていますし、顔がおしろいでもぬったように白っぽくてくちびるは女のようにまっかです。
幸一君は、ふしんに思って、たずねてみました。
「おじさん、だれなの?」
「わたし、人間です。あなた、ミドリさんのにいさんですか。」
男が、レコードのような声で、聞きかえしました。「人間です。」なんて、じつにふしぎないい方です。それに、声も、人間ののどから出る声とは、ちがっているのです。
幸一君は、きみが悪くなってきました。
しばらく、その男のお面のような顔を、見つめていましたが、すると、はっと、あることを思いだしました。
鉄人Qというロボットが、ゆくえ不明になったという新聞記事です。それは学校でも評判になっていたので、よく知っていました。
「ひょっとしたら、こいつが、その鉄人Qじゃないかしら?」
そう思うと、幸一君は頭から水をあびたように、ゾーッとしました。
男の方でも、幸一君が、まっさおになって、こわい目で見つめているのに気がついたようです。
男は、まるで、のら犬が道で出会った人を見るときのような、うたがわしそうな目で、幸一君を見ました。