Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
しばらく、そうしていると、また、コト、コト、コトと小さな足音がして、ネズミが出てきました。どうやら、二匹のようです。
ポケット小僧は息を殺して、死んだように身動きもしません。すると二匹のネズミは、御飯のにおいをかぎつけたらしく、チョロチョロとポケット小僧のからだに近づき、とうとう、胸の上へのぼってきたではありませんか。
御飯つぶは、胸のなわに、じゅうぶんこすりつけてあるので、御飯つぶだけを食べるわけにはいきません。なわもいっしょに、かじらなければならないのです。二匹のネズミは、するどい歯で、そのなわをポリポリとかんでいます。
ポケット小僧の計略は、みごとにあたりました。ネズミはとうとうなわをかみきり、しばられていた両手は、自由になったのです。
手さえ自由になれば、もうしめたものです。
その手でさるぐつわをはずし、足のなわをといて立ちあがることができました。
屋根裏部屋から下へおりるところには、板戸がしめてありますが、かぎはかからないのです。ですから男は、ポケット小僧をしばっておくほかはなかったのです。
その板戸をそっとあけて、音のしないように、はしごをおりました。