Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

「アッ、あいつ、宝石ばこをかかえているぞッ。」

あの、むらさきのふろしきにつつんだ四角なはこを、だいじそうにこわきにかかえているのです。

「け、け、け、け……。」

空から、きみのわるい怪人の笑い声がひびいてきました。庭から見あげている刑事たちをあざ笑っているのです。

刑事たちは、きゅうに考えをきめることができませんでした。四十面相をとらえるためには、まず、はしごで一階の屋根にのぼり、そこからまたはしごをかけて、二階の屋根にのぼるしかないのですが、あいては曲芸師のようなやつです。そんなことをしているうちに、といでもつたって下へおりられたら、なんにもなりません。それに、といは洋館のむこうがわにもあるのですから、三人の刑事では、人数がたりないのです。

「おい、電話をかけろ。パトカーを呼ぶんだ。ぼくら三人では、どうにもできない。」

そして、ひとりの刑事が、電話をかけるために、洋館のげんかんへかけだそうとした時です。

空を見あげていたべつの刑事が、

「アッ。」と、声をたてました。

大屋根の上から、まっ黒なものが、サアッととびおりてきたのです。

巨大なこうもりが、マントの羽根をいっぱいにひろげて、刑事たちの頭の上へ、とびかかってきたのです。