Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
「火のようじん……。」
ちょんちょんと、拍子木をうって、のろのろと歩いていきます。
「おい、じいさん。いまここへ、黒いマントを着たやつがとびおりたんだが、見なかったかね。」
刑事のひとりが、あわただしく、たずねました。
「エッ、黒いマントですって?」
じいさんは、立ちどまって、びっくりしたように聞きかえしました。声まで、しわがれたじいさんの声になっています。
「うん。四十面相という大泥坊だ。この塀の外へとびおりたんだよ。黒いシャツの上に黒マントをきた、こうもりみたいなやつだ。見なかったかね。」
「アッ、それじゃあ、いまのやつだ。そうですよ、マントをひらひらさせて走っていきましたよ。あっちです。あっちのほうへ、飛ぶように走っていきました。」
夜まわりのじいさんは、はるかうしろのほうを指さして、まことしやかに答えるのです。
「よしっ、あっちだなッ。すぐ追っかけよう。」
刑事たちは、そのまま、じいさんの指さしたほうへ、ばたばたとかけさってしまいました。
それを見おくって、じいさんは、にやりと笑いました。手ばやい変装が、みごとに効をそうしたのです。
しかし、まだゆだんはできません。