Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

しば草からは、かげろうが、ゆらゆらとたちのぼっています。

ふたりがこしをおろしている前には、まばらな林があって、そのむこうに、あの時計塔がそびえていました。その屋根の上に、ぶきみなこうもり男が立ったことのある、あの時計塔です。

時計塔の下には、むかし有名な時計屋さんがたてた、お城のような西洋館があります。淡谷一郎青年が、四十面相のためにとじこめられた部屋も、その西洋館の中にあるのです。

時計塔をながめながら話をしている少女のひとりは、中学一年生の淡谷スミ子ちゃんでした。明智探偵の助手のマユミさんのお弟子になった、少女探偵のスミ子ちゃんです。

もうひとりの少女は、やっぱり中学一年の、園田ヨシ子ちゃんです。ヨシ子ちゃんのおとうさんの園田さんは、たいへんなお金持ちで、ふうがわりなこのみを持ったかたでした。ある時、時計塔の西洋館を見て、そのお城のような古風なつくりかたが、すっかり気にいってしまい、西洋館を買いとって、そこに住むことになったのです。

西洋館の外がわは、れんがのこわれたところなどに、すこし手入れをさせたばかりで、だいたいそのままにしておき、中のたくさんの部屋は、すっかりなおさせて、住みごこちのよいようにしたのです。