Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
べつに、ひどいめにあわせるわけじゃない。ちょっとばかりもくろみがあって、おまえを、ここにかくしておくのだ。
ベッドはないが、あそこに、ふっくらした長いすがある。毛布も用意しておいた。あの上で、ゆっくり寝るがいい。手あらいは、そこのカーテンのむこうだ。水もたっぷり用意してある。また、ろうそくの箱とマッチは、長いすのそばにおいてある。
おなかがすく心配もない。三度三度、ちゃんと食事をはこんでやるからな。まあ、サーカスの夢でも見て、ゆっくり、寝ているがいい。」
道化師は、しんせつらしく、それだけのことをいいおわると、にやにやと笑って、部屋を出ていきました。
がらがらッと、重い戸のしまる音。カチンとかぎをかける音。あとは、しいんとしずまりかえって、まるで墓場の中にとじこめられたようなさびしさです。
スミ子ちゃんは、いくらさびしくても、道化師がそばにいるよりはましだと思いました。
「なぜ、わたしを、こんなところへとじこめたのでしょう。」
いくら考えても、わけがわかりません。
スミ子ちゃんは、長いすのところへいって、それにこしかけました。あんがい上等のクッションで、ふかふかしています。