Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
ぜんまいといっても、びっくりするほどあつくて、はばのひろい、鋼鉄の板がまいてあって、それがほどけていく力で、ふりこが動き、針が回るのです。
いちばん大きい歯車は、さしわたし一メートルちかくもあります。それから、中くらいの歯車、小さい歯車と、いろいろな形の歯車が、あるものは、はやく、あるものは、ゆっくりと、みんな生きているように、動いているのです。
歯車と歯車のあいだには、すきまがありますので、そのすきまを、あちこちと見ていますと、チラッと、赤いものが動きました。
丈吉君は、それを見て、ドキッとしました。その赤いものは、道化師の服に、ちがいないからです。
息をころして、じっとしていますと、ちがったすきまから、また、赤いものが、チラッと見えました。
「こらッ、そこにいるのは、だれだッ!」
丈吉君は、思いきって、どなってみました。
しいんと、しずまりかえっています。あいても、息をころして、ようすをうかがっているのでしょう。
「だれだッ。こっちへ出てこい。」
もういちど、どなってみました。しかし、なんの答えもありません。
ふつうの少年でしたら、もう、こわくなって、逃げだすところですが、丈吉君はだいたんな少年ですから、逃げだしません。