Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
アッ、あぶない。はやく、首をひっこめないと……。」
針は、じりッ、じりッと、おりてきました。丈吉君は、まだ気がつきません。
「アッ、首にさわった。首をおさえられてしまった。ああ、丈吉さん、やっと気がついて、首をひっこめようとしている。アラッ、ひっこめられないのかしら。ああ、だめだわ。丈吉さん、びっくりして、なにか叫んでいる。アッ、どうすればいいでしょう。だれか、はやく……。」
スミ子ちゃんは、きびんな少女でした。いきなり、双眼鏡をなげ出して、階段をかけおり、茶の間の電話機にとびつくと、受話器をはずして、園田さんの番号をまわしました。
× × × ×
大時計のほうでは、丈吉君の首のうしろへ、時計の針の鉄の板が、じりり、じりりと、くいいっていました。
さっきまでは、おしつけられるような感じだけでしたが、今は、ひどくいたみだしてきました。首の皮がきれて、たらたらと、血がながれているのです。
「いたいッ。ああ、死んじまう。はやく、助けてくれえ……、助けてくれえ……。」
丈吉君は、いたさにもがきながら、声をかぎりに叫びました。
しかし、だれも助けにきてくれるものはありません。