Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Lesen Sie 夜明けの辻 (よあけのつじ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.801 Zeichen · 86 Bildschirme
四の一
「あのお二人のようすは分りませんの」
「分りました」
十郎兵衛は暗然と声をひそめて云った。
「お気の毒ですが……どうやら返討になったらしいのです。四人の死体と一緒に、崇福寺へ運ばれたのをたしかめましたから」
それでは兄は大弐を追って行ったに違いない。佐和は眼に見えるような気がした。
「とにかく我々は追いかけます。ここへはもう誰も来ないでしょう。久馬には安心するように云っておいてください……ではみんな」
五人とともに、紙屋十郎兵衛は雪を冒して出て行った。佐和はそれを見送りながら神に祈るような気持で呟いた。
――どうぞ間に合いますように、どうぞ兄が無事で戻りますように。
四の一
「東寿、待て、待て」
大弐の声がした。
「降りかかる火は防がなければならぬ。しかしこっちから仕掛けてはならんぞ」
「しかし先生、こやつも刺客の片割れです」
東寿の小剣は伊兵衛の胸元を覘ったまま動かない。大弐は大股に戻って来た。
「許さぬ、刀をひけ東寿」
「…………」
「刀をひけと云うに」
東寿はそっと右足を引き、構えていた小剣を下した。大弐は雪明りにじっと伊兵衛のほうを見やった。
そして力の籠った声で静かに、