Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Lesen Sie 夜明けの辻 (よあけのつじ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.801 Zeichen · 86 Bildschirme
二の一
彼がこの危険にどう処するか、それは大弐がいちばんよく知っている……それで多少の不安を残しながら、大弐は裸になった櫟林の奥へ、なるべく足跡を残さぬようにしながらはいって行った。
東寿のかんは的中した。
間もなく道の上に、合羽も笠も雪まみれになった人影が、一つ、二つひどく先を急ぐようすで、七人までやって来るのが見えた……彼らは権現平へかかるとともに、こっちへ向いて立っている東寿を認めた。
「……盲無念だ」
先頭にいる一人が云った。
その声調は同伴者たちに一様の戦慄を与えた。覚悟して来たことはみんなの眼に現れている。しかし盲無念だと云われたせつな、七人は一様に身震いをした――しかし次の瞬間、先頭にいた一人が合羽と笠を脱捨てた。
「近くにいる、逃すな」
おうと云いざまみんな即座に合羽と笠とを捨てた。下は袴の股立を取り、汗止め襷がけの充分な身拵えである。
東寿も静かに雨具を脱っていた。
両方なにも云わなかった……そして三度、やっぱり先頭にいた武士の一人が、
「盲無念は拙者が引受けた。大弐を捜せ」
そう叫びながら突進した。
二の一
「待て、ちょっと待て」
伊兵衛は先へ行く仲間を呼止めた。