Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme

Aozora Bunko

お通は、

(何ていう子だろう)

と、城太郎の平気でいるのが、憎らしくなってくる。

「もっと彼方へ行ってみましたか」

「見たよ」

「そこの庚申塚の裏は」

「いない」

「立場茶屋の裏は」

「いないッてば」

城太郎が、うるさくなったようにそういうと、お通は、ふいと顔を横に向けてしまった。

「お通さん、泣いているね」

「……知らない」

「ずいぶん理のわからない人だなあ、お通さんはもっと賢い人かと思ったら、まるで嬰ンぼみたいなところもあるぜ。最初から、嘘だかほんとだか、的にはならないことだったんだろ。それを、独りで決めこんで、武蔵様がいないからって、ベソを掻いているなんて、どうかしてらあ」

一片の同情も持たないように、城太郎はかえってゲラゲラ笑うのだった。

お通は、そこへ坐ってしまいたくなった。急に世の中のすべてのものに光がなくなって、元のような――いや今までにない滅失に心が囚われた。笑っている城太郎の味噌ッ歯が、憎く見えて、腹が立って、こんな子をなんで自分が連れてあるいているのか、捨てられるものなら捨てて、たった独りぼっちで、泣いて歩いていたほうが遥かにましだと思ったりする。