Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
すこし落着いてくると、朱実は、不潔も気にならなくなり、彼の生活に、彼と同じ気安さが持てて来るのだった。
「そうそう熱があって、身体がだるいといっていたの、おおかた風邪だろう。蕎麦掻きのできる間、そこに寝ていさっしゃれ」
むしろだの、米俵だので、隅へ寝どこができている。朱実はそこにある木枕へ、自分の持っている紙を当てて、すぐ横になった。
上からかぶる衾のかわりに、それへ備えてあるのは、これもどこかで拾って来たものらしい、破れた紙衣蚊帳。
「じゃあ、お先に」
「さあ、さあ、なにも心配しないがいいぞよ」
「……すみません」
と、手をつかえる。そして、渋紙の蒲団を引き被ごうとすると、その下から、なにか電光のような眼をした生き物が飛びだし、自分の頭を越えたので、彼女は、きゃっといって俯伏した。
二
だが、驚いたのは、朱実よりは、むしろ青木丹左のほうで、鍋へ空けかけていた蕎麦粉の袋を取り落して、
「アッ、なんじゃっ?」
膝をまっ白にしてしまった。
朱実は打ち伏したまま、
「なにか――なんだか知れませんが、鼠より、もっと大きな獣が、隅から飛び出して……」
いうと、丹左は、