Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
煙管にまで、太閤張というのが出来て、一頃は流行ったように、こういう派手派手しい風俗も、桃山全盛の遺風であって、二十歳をこえても元服をせず、二十五、六を過ぎても、まだ童子髪を結って金糸をかけ、さながらまだ清童であるかのような見栄を持つ習いが、いまに至ってもかなり遺っているからである。
だからこの少年も、一概に身なりをもって、未成年者と見ることはできない。体つきからしても、堂々たる巨漢であるし、色は小白くて、いわゆる丹唇明眸であるが、眉毛が濃くて、眉端は眼じりから開いて上へ刎ねている。なかなかきつい顔なのだ。
けれどまた――
「これ、なぜうごく」
と、小猿の頭を打って、猿の蚤とりに他念のない様子などは、なかなかあどけなくもある。何もそう年齢の詮索ばかり気にやむこともないが、あれこれ綜合してその中庸をとって推定すれば、まず十九か、二十歳というところでなかろうかと思われる。
さてまた、この美少年の身分はというと、元より旅いでたちで、革足袋にわらじ穿きだし、どこといって抑えどころもないが、歴乎とした藩臣でなく、牢人の境界であることは、こういう船旅において、ほかの山伏だの傀儡師だの、乞食のようなボロ侍だの、垢くさい庶民の中に交じって、気軽にごろごろしている態をみても、およそ想像はつく。