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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「よっぽどひどい怪我でもしましたか。」と、お銀は顔をしかめながらまた訊いた。

「なに、半分轢きかかって危うく踏みとまったので、たいした怪我はないようです。それでも転んだはずみに手や足をすりむいたりしましたからね。早くいえば出逢いがしらで、どっちが悪いというわけでもないんですが、なにしろ怪我をさせた以上は、そのままにもしておかれませんや。旦那も大変に気の毒がって、いろいろ手当てをしているようです。」

電車や自動車はなし、自転車も極めて少ないこの時代における交通事故は、馬車と人力車にきまっていた。馬車もさのみ多くはなかったが、人力車が衝突したとか人力車に轢かれたとかいう事故は、毎日ほとんど絶えなかった。今夜の出来事もその一つである。お銀はやはり顔をしかめながら聞いていると、お新がそばから喙を出した。

「どこの娘さんか知りませんけれど、服装はいいというほどじゃありませんけれど、容貌はなかなかいいんですよ。なんでも士族さんの娘さんでしょうね。」

士族さんなどという言葉がこの時代には盛んに用いられた。お銀の家も中国辺のある藩の士族さんであった。それだけの話を聞いてしまって、お銀は自分の家へ引っ込むと、せがれの友之助が帰って来た。