Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

いずれにしても縁談は滑るように進行して、結婚の吉日が切迫して来た。小野の話によって想像すると、お蝶の縁談がいよいよ決定すると共に、お筆はもう誰に遠慮することもないという風で、ますます吉之助の方へ接近して行ったらしい。それを見せつけられて、お蝶の胸の火は燃えあがった。しかも友之助にわが身を許してしまったという弱味がある以上、彼女は今更どうすることも出来なかった。彼女はお筆の罠にかかって、自分のほんとうの恋人を横取りされたことを覚ったかも知れないが、今となっては恨みを呑んでその勝鬨の声を聞くのほかはなかった。そのうちに結婚の日は眼のまえに迫って来るので、一種の嫉妬と悔恨とに堪えかねて、お蝶はわれと我が若い命を縮めるようになったらしい。死後に父の医師が検査すると、彼女はもう妊娠三ヵ月になっていたのである。

お蝶の書置きは簡単なもので、お筆や吉之助の問題には何にも触れていなかったが、その悼ましい最後はお筆に対して、一種の復讐手段となった。お蝶がとどこおりなしに友之助と結婚すれば、お筆に取っては最も好都合であり、又そうなるのが当然であると信じていたところへ、思いもよらないお蝶の自滅という事件が突発して、お筆は溝口家に居たたまれないような羽目になってしまった。