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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

」

彼は手をのばして、その花の一つをむしるようにゆすぶると、白い菖蒲の花のかげから二、三匹の紫色の小さい蝶がひらひらと舞い出した。かれは持っているハンカチーフで、すぐにその一匹を叩き落とした。

「それは台湾蝶というものなんだそうです。」と、富寿は説明した。「毒のある蝶々で、それに刺されるとひどく腫れ上がって熱が出ることがあるんだそうです。何処にでもいるという訳じゃないんですが、ここらでは時々に見掛けることがあるので、その人は頻りにそれを研究していたんだということです。」

「すると、お春という女からくれた花環のなかに、ちょうど台湾蝶が棲んでいたんですね。」と、わたしは訊いた。

「お春さんも無論知らない。富子さんも知らないで、うっかりとその花環をいじくっているうちに、いつかその毒虫に刺されたんです。こう判ってみれば何でもありませんけれど、前の事情があるからどうしてもお春さんを疑うようにもなりますわね。その男の人というのは、その町の中学の理科の教師だそうでした。」

「お春とは関係があったんですね。」

「そうでしょう。」と、富寿はうなずいた。「お春さんも自分の家へ引っ張り込むのは奉公人なんぞの手前もあるので、わたくし達の泊まっていた宿屋を出逢い場所にして、いつもお留という女中がその使いをしていたらしいんです。