Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
何者がこんなことをしたのかはもとより判らないが、一体なんの為にこんなことをしたのかを、父はまず知りたかった。おとし穴の目的とすれば、こんなところに穴を掘るのもおかしい。たとい草原同様の空き地であるとしても、ここはわたしの家の私有地で、他人がみだりに通行すべき往来ではない。そこへ毎夜忍んで来ておとし穴を作るなどとは、常識から考えてちょっと判断に苦しむことである。それにしても、そのおとし穴に落ちたらしいかの女は何者であろうか。おそらく父が引っ返して提灯を持って来るあいだに、そこを這い出して姿をかくしたのであろうが、その当時二、三ヵ所でがさがさという響きを聞いたのから考えると、かの女のほかにも何者かが忍んでいたのかも知れない。あるいは近所の男と女とがこの空き地を利用して密会していたのではあるまいか。かれらは何かに驚かされて、あるいは父の足音におどろかされて、あわてて逃げようとするはずみに、女はあやまってかの穴に転げ落ちたのではあるまいか。それでまず女の解釈は付くとしても、かのおとし穴のようなものは何であろうか。あるいは彼等がそこで密会することを知って、何者かがいたずら半分にそんな落とし穴を作って置いたのであろうか。