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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

こういうと、ひどくお島さんに肩を入れるようだが、実際、逗留中はお島さんの世話になったよ。なかなかよく気のつく人でね――と、F君は更に説明した。

そのお島さんがだしぬけにステッキをほめたので、僕も振り返って、そのステッキとステッキの持ち主とをじろりとみると、ステッキの持ち主は三十ぐらいの紳士で、すこし痩せた蒼白い顔に金ぶちの眼鏡をかけていた。九月ももう末で、朝晩は少しひやひやする風が吹くので、この紳士はセル地の単衣に縮緬のへこおびを締めていた。さてその次は問題のステッキだ。なるほどお島さんが不思議がるのも無理はない、僕も実は初めて見た。長さは四尺ぐらいで、色のうす白い、丸い、細長い、動物の角か牙のようにも見えるものであった。

「なんでしょうねえ。なにかの角ですかしら。」と、お島さんはステッキをひねくって眺めていると、青年紳士はにやにや笑っていた。

「それはね、アメリカへ行ったときに買って来たのだ。それでも、外国では風流な人が持つのだそうだ。」

「一体なんでございます。」

「なんということはない。まあ、こんなものさ。ははははは。」

説明して聞かせても判るまいといったような顔をして、紳士は笑いながらそのステッキを振って、表へぶらぶら出て行ってしまった。