Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
二人のすがたは忽ちに見いだされた。
「おまえさん方はさっきからそこにおいででしたか。」と、尼は弱い声で訊いた。
二人は黙っていると、尼は更に摺り寄って来て、今度はすこし力強い声でまた訊いた。
「おまえさん方は何か見たでしょうね。」
二人は正直に答えるのを※(「足へん+寿」、第4水準2-89-30)躇した。かれらは何とはなしにこの尼が怖ろしいようにも思われて来て、とてもここでからかうような元気は出なかった。ただ黙ってその白い顔をながめていると、尼はしずかに言い出した。
「見たらば見たとはっきり言ってください。見ましたか、見たに相違ありますまい。今夜のことは決して誰にも言ってくださるな。もしおまえさん方の口からこの事が世間に知れると、わたしは未来までも怨みますぞ。」
尼の顔色は物凄かった。気のせいか、その口は耳までも裂けるかと思われた。二人はぎょっとしてほとんど無意識に承諾の返事をあたえると、尼はかさねて念を押した。
「きっと他言してくださるな。」
「ようごぜえます。なんにも言いません。」
早々に二人はそこを逃げ出した。行き過ぎてそっと見かえると、尼はやはりそこにたたずんで、すすきのあいだに白い半身をあらわしながらこっちをじっと見つめているらしかった。