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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

僕の母なぞも少しその説に傾きかかった。祖母と父とはいつまでも強情にそれを否認していたが、大勢はもう動かすことが出来なかった。たとい狸の化けたのでないとしても、地蔵尼の本性はおそらく直人間ではあるまいということに決められた。

「村の奴等にも困ったものだ。」と、僕の父はにが笑いをしていた。

そのうたがいを解くために、尼の死体を発掘してみようという説も起こったが、慶善寺の住職は頑として肯かなかった。警察でも許さなかった。したがって、その実否を確かめることは出来なかったが、怪しい死を遂げた美しい尼僧は、だれが言い出したともなしに、狸尼の名をかぶせられてしまって、雪の深いその年の冬にも、炉のほとりの夜話にその名がしばしば繰り返された。

足かけ四月ほども未決囚として繋がれていた二人の嫌疑者は、その年の暮れにいずれも証拠不十分で放免された。二人の嫌疑が晴れると同時に、尼に対する疑いはいよいよ深くなった。狸尼の名は僕よりも小さい子供ですらもよく知っている。堂は無住のままで立ち腐れになってしまった。尼を信仰していた僕の祖母も、狸が人間に化ける筈がないと主張していた僕の父も、この問題に対しては口をつぐんでしまった。