Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
相原医師の妻は与助を背負って、近所の山川へ投身した。妻は死んだが、幼い子は救われた。しかしその時に彼のからだにどんな影響をあたえたのか、与助はその後一種の白痴に近い低能児になってしまって、学齢に達しても小学校へ通うことも出来なくなった。相原の妻の死については、その当時いろいろの臆説を伝えられたが、結局はヒステリーということに帰着して、その噂は月日の経つに連れて諸人の記憶からだんだんに薄らいでしまった。相原の妻の横死は、夫が他に情婦を作った為だという噂もあったが、その後十四年の長い間、相原は白痴の与助と雇婆とたった三人のさびしい生活をつづけているのを見ると、それは一種の想像説に過ぎないらしかった。不具の子ほど可愛いとかいうが、相原は白痴に近い与助を非常に愛していた。与助も父をしたっていた。今夜は雇婆が風邪をひいて寝ているので、かれは父の寝酒を買うために町まで暗い夜路を走って行ったのであることを、倉部巡査は後に知った。
しかし彼は普通の小買物をするくらいの使いあるきには差し支えなかった。町の人達もみな彼の顔を知っているので、彼の突きならべた銀貨や銅貨の数から算当して、それに相当の品物を渡してよこすのを例としていた。