Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
しかし、人窮すれば智慧が湧く、言わば迷惑なそのお墨付に対して、だんだんと智慧を絞り出したのは街道を上下の西国大名達です。道中するたびにいちいち行列をとめて、わざわざ乗物をおりたうえ、禄高に応じた手土産音物を献上してのち、何かと儀式やかましい御機嫌伺いの挨拶をするのが面倒なところから、中の才覚達者なのが考えついて、通行の一日前とか乃至は半日前に音物だけをこっそりと先に贈り届け、陣屋の御門を閉めておいて貰って、乗り物を降りる手数の省けるような工風を編み出しました。それが次第に嵩ずるうちに、大名共、だんだんと狡猾になって、お墨付には別段音物付け届け手土産の金高質量を明記してなかったのを幸いに、いつのまにか千両は五百両にへり、五百両は二百両に減って、年ごとにその挨拶の相場が下落していったために、窮すれば人また通ず、甚だ小気味のいい妙計を案じ出したのが松平家です。それまでは一枚のお墨付を虎の子のように捧持して、子々係々居ながらに将軍家公許の通行税頂戴職を営んでいたが、上手をいってこれを積極的に働かすことを案じ出し、分相応の付け届けを神妙に守る大名には門を閉めてやって通行勝手たること、少し足りないと思う者には、半分位門をあけておいて、もう一度挨拶金を追加させ、特に目立って、吝嗇な大名は、その行列が通行する頃を見計らっ