Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.923 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはそうだと思いますわ、けれどもね大切なことは、」

此処で彼女は、愛と憎しみの混乱した悩ましい眼を上げて彼を見つめた。

「貴方の立派さで自分の無力を感じるのならよいと思います。けれども、私が感じる無力さは、いつも貴方の悪い処から反映して来るのよ。貴方の持っていらっしゃる悪いところに自分が持って居る希望や勇気を殺がれて起る疑だし、失望なのよ。」

――○――

「私が失望したのを見ると、貴方は、苦しくなって希望のある言葉で励そうと成さるでしょう、けれどもそれは一時で、疑や否定の方が多い常態なのよ。だから、いやです。きらい!」

彼女は、ボろボろと涙をこぼしながら、とられた手を振りはなした。

――○――

甘ったれて居た最中、突然の下らなさが彼女の心を襲った。彼の熱い抱擁に対して、彼女は、自分に対して苦々しさに唇をかみながら、闇の中でそっぽを向いて、無反動で居た。二三度、彼はあやすように、彼女の心を呼びさますように抱擁を強めた。がやがて、

「御免なさい」

と云いながら、体をどけ、彼女の額に接吻して、枕の上に頭を落した。

――○――