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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

証拠が無いんです。それを悪く疑えば、わざと迷子札をつけずに置いたとも云われるんです。人の料簡はなかなかうわべから見えませんけれど、あんなに真っ蒼な顔をして、眼を泣き腫らして、どう見ても嘘やいつわりとは思われません、まったくあのお内儀さんの災難に相違なかろうと思うんですが、その子供が無事に出て来ない以上は、なんと疑われても仕方のないわけです」

この長い話を聴かされて、半七と庄太は眼を見合わせた。

「おかみさん。その子供は女の児かえ」と、庄太は待ち兼ねて訊いた。

「はい。女の児だそうでございます。名はお蝶といって、お父ッつあんは次郎八というんだとか聞きました。子供のことですから、そんなに遠いところへ迷って行きも致しますまいし、川へでも陥ったのなら死骸がもう浮き上がりそうなもんですが、どうしたもんでしょうかねえ」と、女房は溜息をつきながら云った。「お稲荷さまの御利益で、どうかまあ、ちっとも早くその子供の安否が知れるようにして上げたいと、わたくし共も蔭ながらお祈り申しております」

「そりゃあ全くだ。しかし信心の徳で、今になんとか判るだろう」

半七は庄太に眼くばせして、幾らかの茶代を置いて床几を起った。