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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

と、お六は顔をしかめて見せた。

「それもそうだな」

云いかけてふと見かえると、その朝顔屋敷の表門から一人の武士が出て来て、九段の方角へしずかにあるいて行った。武家の中小姓とでもいいそうな風俗であった。

「お前、あの人を知らねえか」と、半七は頤で示してお六に訊いた。

「口を利いたことはありませんけれど、あの人はなんでも山崎さんというんですよ」

中小姓の山崎平助に相違ないと半七はすぐに鑑定したので、彼はお六に別れてそのあとを追って行った。往来の少ない屋敷の塀の外で、彼はうしろから平助に声をかけた。

「もし、もし、失礼でございますが、あなたは杉野様のお屋敷の方じゃございませんか」

「左様」と武士は振り返って答えた。

「実はけさほどお屋敷の御用人様にお目にかかりましたが、お屋敷では御心配なことが出来しましたそうで、お察し申し上げます」

相手は油断しないような顔をしてこちらを睨んでいるので、半七は用人の角右衛門に逢ったことを話した。そうして、あなたは山崎さんではないかと訊くと、彼はそうだと答えた。それでもまだ不安らしい眼の色をやわらげないで、彼は自分と向い合っている岡っ引の顔をきっと見つめていた。