Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
ああ、もういけない。あの岡っ引はさすがに商売で、とうとう私に眼をつけてしまったらしい」
彼が死んだような顔をして身をおののかしているのが、障子の外からも想像された。和吉は鼻をつまらせながら又語りつづけた。
「岡っ引は店へ来て、酔っ払っている振りをして、主殺しがこの店にいると呶鳴った。そうして、当てつけらしく磔刑の講釈までして聴かせるので、私はもうそこに居たたまれなくなった位だ。そういう訳だから私はもう覚悟を決めてしまった。ここの店から縄付きになって出て、牢へ入れられて、引き廻しになって、それから磔刑になる。そんな恐ろしい目に逢わないうちに……わたしは一と思いに死んでしまうつもりだ。くどくも云う通り、わたしは決してお前を怨んじゃあいない。けれどもお前という者のために、わたしが斯うなったと思ったら……勿論お前から云ったら、若旦那を殺した仇だとも思うだろうけれど、わたしの心持も少しは察して、どうぞ可哀そうだと思っておくれ。若旦那を殺したのはわたしが悪い。私があやまる。その代りに私が死んだあとでは、せめて御線香の一本も供えておくれ。それが一生のお願いだ。ここに給金の溜めたのが二両一分ある。