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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

近所から嫌われていたおまきが此の頃だんだんと近所から憎まれるようになって来た。猫はいよいよ其の反感を挑発するように、この頃はいたずらが烈しくなって、どこの家でも遠慮なしにはいり込んだ。障子を破られた家もあった。魚を盗まれた家もあった。その啼き声が夜昼そうぞうしいと云うので、南隣りの人はとうとう引っ越してしまった。北隣りには大工の若い夫婦が住んでいるが、その女房も隣りの猫にはあぐね果てて、どこかへ引っ越したいと口癖のように云っていた。

「何とかしてあの猫を追い払ってしまおうじゃないか。息子も可哀そうだし、近所も迷惑だ」

長屋のひとりが堪忍袋の緒を切ってこう云い出すと、長屋一同もすぐに同意した。直接に猫婆に談判しても容易に埓があくまいと思ったので、月番の者が家主のところへ行って其の事情を訴えて、おまきが素直に猫を追いはらえばよし、さもなければ店立を食わしてくれと頼んだ。家主ももちろん猫婆の味方ではなかった。早速おまきを呼びつけて、長屋じゅうの者が迷惑するから、お前の家の飼い猫をみんな追い出してしまえと命令した。もし不承知ならば即刻に店を明け渡して、どこへでも勝手に立ち退けと云った。