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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

お化け師匠の綽名はそれから産み出されたのであった。

歌女寿は今年四十八だというが、年に比べると水々しい垢ぬけのした女であった。商売柄で若い時には随分浮いた噂もきこえたが、この十年以来は慾一方に凝り固まっているとかいうので、近所の評判はあまり好くなかった。姪を娘分に貰ったのも、ゆくゆく自分の食い物にしようというしたごころから出たのである。傍から見るとむごたらしいほどに手厳しく仕込んだ。そういう風に、ちいさいときから余り邪慳に責められたせいか、歌女代はどうも病身であったが、仕込みが厳しいだけに芸はよく出来た。容貌も好かった。十六の年から母の代稽古として弟子たちを教えていたが、容貌の好いのが唯一の囮になって、男弟子もだいぶ入り込むようになった。したがって歌女寿のふところ都合もだんだん好くなって来たが、慾の深い彼女はお定まりの月並や炭銭や畳銭ぐらいでなかなか満足していられる女ではなかった。彼女はこの若い美しい餌で巨大な魚を釣り寄せようと巧らんでいた。

その魚は去年の春の潮に乗って寄って来た。それは中国辺の或大名屋敷の留守居役で、歌女代をぜひ自分の持ち物にしたいという註文であった。