Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
彼女はやがて眼を拭きながら訊いた。
「それで、千さんの居どこが判ったらどうなるんでしょう」
「相手が死んだ以上は無事に済むわけのものでねえ」
「親分が見つけたら捉まえますか」
「いやな役だが仕方がねえ」
「じゃあ、すぐに捉まえてください」
お登久はいきなり起ちあがって、床の下の戸棚をがらりとあけると、戸棚の隅には若い男の蒼ざめた顔が見えた。案の通りここに隠れていたなと思う間もなく、お登久は男の手をつかんで戸棚からぐいぐいと引き摺り出した。
「千ちゃん。お前さん、よくもあたしをだましたね。商売上で少し筋の悪い品を買って、飛んだ引き合いを食いそうになったから、ちっとの間どこかへ姿を隠すんだと云うから、一昨々日からこうして隠まって置いてやると、そりゃあ丸で嘘の皮で、市ヶ谷の女と心中しそこなったんだということを今初めて聞いた。今まで人をさんざんだまして置きながら、またその上にそんな嘘をついて……。あんまり口惜しいから、あたしはお前を引っ張り出して親分さんに渡してやる。さあ、縛られるとも、牢へ入れられるとも、勝手にするが好い」
くやし涙の眼を瞋らせて、お登久は男の顔を睨みつけると、彼はその眼を避けるように顔をそむけたが、その方角にはまた半七の眼がひかっているので、彼はもういっそ消えてしまいたいように俯伏して、稜毛の逆立った古