Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
おみよの死んだそばにいねえで、それが判る筈がねえ。第一に、おみよが自分一人で死んだということをどうして知っている。訳を云え」と、半七は嵩にかかって極めつけた。
「正直に申し上げます」
「むむ。早く申し立てろ」
そばにはお登久が執念深そうな眼をして睨みつけているので、千次郎も少しためらっているらしかったが、半七に催促されて彼はとうとう思い切って白状した。かれは市ヶ谷の質屋に奉公している時から、近所のおみよと不図云い交すようになったが、女は武家の持ち物になっているので、万一それが露顕したらどんな祟りを受けるかも知れないという懸念から、二人は用心して、月に二、三度位ずつ雑司ヶ谷の茶屋でこっそり出逢っていた。千次郎が新宿に古着屋の店を持つようになっても、二人の関係はやはり繋がっていた。そのうちに自分の妹が長唄の稽古に通うのが縁となって、千次郎は師匠のお登久とも他人でない関係になってしまった。そうして、お登久の眼を忍んで、むかしの恋人にも逢っていた。
これだけでもやがては面倒の種となりそうなところへ、さらにおそろしい面倒が湧き出しそうになって来た。それは千次郎とおみよとが雑司ヶ谷の茶屋で逢っているところを、大久保の屋敷の者に見つけられたのであった。