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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

年の若いお蝶はただおびえているばかりで捗々しい返事もできないのを、女はなおいろいろ慰めて、まずしばらく休息するがいいと云って、茶や菓子を持って来てくれた。それから風呂へはいれと云って、ほかの女たちに案内させた。お蝶はやはり夢中で湯殿へ行った。

風呂が済むと、また別の広い座敷へ案内された。そこには厚い美しい座蒲団が敷いてあった。床の間の花瓶には撫子がしおらしく生けてあって、壁には一面の琴が立ててあったが、もう眼が眩んでいるお蝶には何がなにやら能くもわからなかった。

この間の女が再び出て来て、お蝶に髪をあげろと云った。ほかの女たちが寄って彼女の髪をゆい直すと、今度は着物を着かえろと云った。女たちがまた手伝って、衣桁にかけてある艶やかなお振袖を取って、お蝶のすくんでいる肩に着せかけた。錦のように厚い帯をしめさせた。まるで生まれ変ったような姿になって、お蝶は自分のからだの始末に困って唯うっとりと突っ立っていると、女たちは彼女の手をひいて座蒲団のうえに押し据えた。それから経脚のようになっている小さい机を持ち出して来て彼女のまえに置いた。机のうえには二、三冊の立派な本がのせてあった。