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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

生き血を吸いに来たのか、骨をしゃぶりに来たのかと、お蝶はもう半分死んだもののようになって、一心に衾の袖にしがみ付いていると、やがてその衣摺れの音は次の間へ消えて行ったらしかった。怖い夢から醒めたように、お蝶は寝衣の袂で額の汗をふきながらそっと眼をあいて窺うと、襖は元のように閉まっていて、蚊帳のそとには蚊の鳴き声さえも聞えなかった。

明け方になって陽気がすこし涼しくなると、宵からの気疲れでお蝶はさすがにうとうとと眠った。眼がさめると枕もとにはゆうべの女たちが行儀よく控えていて、さらにお蝶に着物を着替えさせてくれた。蒔絵の手水盥を持って来て顔を洗わせてくれた。あさ飯が済むと、このあいだの女がまた出て来た。

「さぞ窮屈でもあろうが、もう少しの辛抱でござりますぞ。退屈であろう、ちっとお庭でも歩いてみませぬか。わたし達が案内します」

女たちに左右を取りまかれて、お蝶は庭下駄をはいて広い庭に降りた。植込みの間をくぐってゆくと、そこには物凄いような大きい池が青い水草を一面にうかべて、みぎわには青い芒や葦が伸びていた。この古池の底には大きい鯰の主が住んでいると、一人の女が教えてくれたのでお蝶はぞっとした。