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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

女もひどく困ったらしい顔をしていたが、悪くすると古池へ身でも投げそうなお蝶の決心に動かされたらしく、十日目の夕方には、とうとう一旦は帰れという許可をあたえた。

「併しこの事は決して他言はなりませぬぞ。またそのうちに迎いに行くかも知れませぬが、その時はどうぞ来てくれるように……。今から頼んで置きますぞ」

さもなければ帰すことはならないと云うので、お蝶もよんどころ無しに承知して、きっとまたまいりますと心にもない誓いを立てた。女はいろいろ心配をかけて気の毒であったと云って、奉書の紙につつんだ目録をくれた。日が暮れてあたりが薄暗くなった頃に、お蝶は目隠しをさせられた。口には猿轡を食まされた。来た時とおなじような乗物に乗せられた。人通りの少ないところを選んで浜町河岸まで揺られてくると、石置き場のまえで彼女を乗物からおろして、空の乗物をかついだ男達は逃げるように何処へか立ち去った。

お蝶は狐が落ちた人のようにぼんやりと突っ立っていたが、急にまた何だか怖くなって一散にかけ出して、家へ駈け込んで母の顔を見るまでは、彼女もまだ半分は夢のような心持であった。狐に化かされたのだろうとお亀は云ったが、ふところに入れて来た目録は木の葉ではなかった。