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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

子供ばかりではない、相当の年頃になった人間でも、突然に姿をかくして五日、十日、あるいは半月以上、長いのは半年一年ぐらいも其のゆくえの知れないことがしばしばある。そうして、ある時に何処からともなしに飄然と戻って来るのである。その戻ってくる場合も常とは違って、ある者は門前に倒れているのもある。ある者は裏口にぼんやり突っ立っているのもある。甚だしいのは屋根の上でげらげら笑っているのもある。だんだん介抱して様子を聞きただしても、本人は夢のようでなんにも記憶していないのが多い。ある者は奇怪な山伏に連れられて遠い山奥へ飛んで行ったなどと云う。その山伏はおそらく天狗であろうと云い伝えられている。仮りにも武士たるものがそんな怪異を信ずべきではないと思いながら、平助も今の場合、あるいは主人の息子もその天狗山伏に掴み去られたのではないかという幾分の不安がきざして来た。

いずれにしてもこれは一大事である。幼い主人の供をして出て、そのゆくえを見失ったとあっては、二人ともにおめおめと屋敷へは戻られない。又蔵はともあれ、仕儀に依っては平助は申し訳に腹でも切らなければならないことになる。