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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

頭巾に顔をつつんでとぼとぼとあるいて来た。お倉はじれったいのを我慢して、それに附き合って歩いていると、婆さんは何か詰まらないことをくどくどと話しかけた。気の急いているお倉は上の空で返事をしながら、婆さんを引っ張るようにして急いで帰った。町内の灯はもう目の前に見えた。

隣り町との町境に土蔵が二つ列んでいるところがあって、それに続いて材木屋の大きい材木置場があった。前後の灯のかげはここまで届かないので、十間あまりの間には冬の夜の闇が漆のように横たわっていた。自分の町内にはいるお倉は、どうしてもこの闇を突っ切って行かなければならなかった。この間の晩、煙草屋の娘が災難に逢ったのも此の辺だろうと思いながら、彼女は婆さんを急き立てて歩いてくると、積んである材木のかげから犬のようなものが這い出した。

「おや、なんだろう」

よぼよぼしている婆さんを引っ張っているので、お倉はすぐに逃げ出すわけにも行かなかったが、気丈な彼女は闇の底をじっと透かしてその正体を見定めようとする間もなく、怪しい物は背をぬすむように身を伏せて来て、いきなりお倉の腰に取り付いた。

「何をしやあがる」