Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
半七はふところ手をして、まず町内の鍛冶屋のまえに立つと、そこの店からは大小の蜜柑がばらばら飛び出すのを、小児たちが群がって拾っていた。きょうは十一月八日の鞴祭りであることを半七はすぐに覚った。小児の群れのうしろから覗いて見ると、親方は蜜柑を往来へ威勢よく撒いていた。職人も権太郎も笊に入れた蜜柑を忙がしそうに店へ運んでいた。
半七は自身番へ寄って、家主を相手に世間話をしながら、鍛冶屋の蜜柑撒きの済むのを待っていた。半鐘一件の片付かない間は、家主はかならず交代で自身番へ詰めていることになったので、早く埒が明いてくれなければ困るなどと、家主は手前勝手な愚痴を云っていた。
「御心配にゃあ及びません。近いうちに何とか眼鼻をつけてお目にかけます」と、半七は慰めるように云った。
「どうか宜しく願います。だんだん寒空には向って来ますし、火事早い江戸で半鐘騒ぎは気が気でありませんよ」と、家主はいかにも弱り抜いているらしかった。
「お察し申します。なに、もうちっとの御辛抱ですよ。あの鍛冶屋の鞴祭りが済んだらば、小僧をちょいと此処へ呼んで下さいませんか」
「やっぱりあの小僧がおかしゅうございますか」