Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme
小さな長屋がたくさんできて、野原の名残りが年ごとにその影を消していきつつあるというふうの町なのであった。吉田の弟の店のあるところはその間でも比較的早くからできていた通り筋で両側はそんな町らしい、いろんなものを商う店が立ち並んでいた。
吉田は東京から病気が悪くなってその家へ帰って来たのが二年あまり前であった。吉田の帰って来た翌年吉田の父はその家で死んで、しばらくして吉田の弟も兵隊に行っていたのから帰って来ていよいよ落ち着いて商売をやっていくことになり嫁をもらった。そしてそれを機会にひとまず吉田も吉田の母も弟も、それまで外で家を持っていた吉田の兄の家の世話になることになり、その兄がそれまで住んでいた町から少し離れた田舎に、病人を住ますに都合のいい離れ家のあるいい家が見つかったのでそこへ引っ越したのがまだ三ヶ月ほど前であった。
吉田の弟は病室で母親を相手にしばらく当り触りのない自分の家の話などをしていたがやがて帰って行った。しばらくしてそれを送って行った母が部屋へ帰って来て、またしばらくしてのあとで、母は突然、
「あの荒物屋の娘が死んだと」
と言って吉田に話しかけた。