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Japanische Klassiker mit Furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

と彼が言うと、兄は

「いや、まだたくさんあったはずや。あの抽出し見たか」信子は見たと言った。

「勝子がまた蔵い込んどるんやないかいな。いっぺん見てみ」兄がそんなに言って笑った。勝子は自分の抽出しへごく下らないものまで拾って来ては蔵い込んでいた。

「荷札ならここや」母がそう言って、それ見たかというような軽い笑顔をしながら持って来た。

「やっぱり年寄がおらんとあかんて」兄はそんな情愛の籠ったことを言った。

晩には母が豆を煎っていた。

「峻さん。あんたにこんなのはどうですな」そんなに言って煎りあげたのを彼の方へ寄せた。

「信子が寄宿舎へ持って帰るお土産です。一升ほど持って帰っても、じきにぺろっと失くなるのやそうで……」

峻が語を聴きながら豆を咬んでいると、裏口で音がして信子が帰って来た。

「貸してくれはったか」

「はあ。裏へおいといた」

「雨が降るかもしれんで、ずっとなかへ引き込んでおいで」

「はあ。ひき込んである」

「吉峰さんのおばさんがあしたお帰りですかて……」信子は何かおかしそうに言葉を杜断らせた。

「あしたお帰りですかて?」母が聞きかえした。

吉峰さんのおばさんに「いつお帰りです。