Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
一度僕に教えるといって、書簡箋に書いたのを見せた。何でも、兵隊になれといわれてなりはしたものの、小銃をうって見るとちっともあたらないで、キャプテンに叱られたり何かするので「こんなことなら女の子に生れて来ればよかった」というような文句もあり、一節ごとに「クレージイ・ウォア」という折返しがつく。いまこれを書いていても、調子はずれなサムの声を思い出す。日本の兵隊が歌ったら――兵隊でない一般人でも――反戦思想といわれて、銃殺されたことだろう。
ある晩、フラリと僕のテントへ遊びに来た。一体サムは非番の時、よく僕の所へ遊びに来たが、この晩も例の如く、身体をブラブラと振って入って来るなり、「俺はもうスルーだ」と宣言した。何がお仕舞いなのかと思うと、ガール・フレンドが一向手紙をよこさないというのである。サムは十八の時に結婚して一年で離婚し、出征するまで仲よくしていたガールがいるのだが、ここ四週間もその子から手紙が来ない。「自分の方からはせっせと書いているのに、ひどい女もいるものだ」――これがそれだと、サムは札入のセロファンの中に入っている写真を見せた。「俺はもうスルー・ウィズ・ハアだ。