Japanische Klassiker mit Furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Lesen Sie 永日小品 (えいじつしょうひん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.000 Zeichen · 100 Bildschirme
自分もそのままにして放っておいた。すると、しばらくしてから、今度は三度のものを時々吐くようになった。咽喉の所に大きな波をうたして、嚏とも、しゃくりともつかない苦しそうな音をさせる。苦しそうだけれども、やむをえないから、気がつくと表へ追い出す。でなければ畳の上でも、布団の上でも容赦なく汚す。来客の用意に拵えた八反の座布団は、おおかた彼れのために汚されてしまった。
「どうもしようがないな。腸胃が悪いんだろう、宝丹でも水に溶いて飲ましてやれ」
妻は何とも云わなかった。二三日してから、宝丹を飲ましたかと聞いたら、飲ましても駄目です、口を開きませんという答をした後で、魚の骨を食べさせると吐くんですと説明するから、じゃ食わせんが好いじゃないかと、少し嶮どんに叱りながら書見をしていた。
猫は吐気がなくなりさえすれば、依然として、おとなしく寝ている。この頃では、じっと身を竦めるようにして、自分の身を支える縁側だけが便であるという風に、いかにも切りつめた蹲踞まり方をする。眼つきも少し変って来た。始めは近い視線に、遠くのものが映るごとく、悄然たるうちに、どこか落ちつきがあったが、それがしだいに怪しく動いて来た。