Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

小型自動車の横がわを見ますと、上のほうに、映画のスチールが、がくぶちに入れて、いっぱいならべてあります。その下に、大きな字で「移動映画館」と書いてあるのです。

「そのお菓子、いくら?」

また、聞いてみました。

「一個、十円だよ。」

と答えます。

十円でこんなに映画が見られるなら、やすいものだと思いました。

「移動映画館て、うまいことを考えたねえ。ぼく、こんなの、はじめて見たよ。」

「うん、ぼくも。それに、あの道化師のおじさん、説明がうまいじゃないか。」

カウボーイの映画がおわると、道化師は、チョンチョンと拍子木をたたいて、

「きょうは、これでおしまい。また、あした、今ごろくるからね。おこづかいをもらっておくんだよ。じゃあ、ハイチャ!」

道化師は、みょうな身ぶりで、ひとつおじぎをすると、そのまま、運転席にはいり、小型自動車は、ノロノロと出発しました。

井上、野呂の二少年は、なぜか、そのまま帰る気になれないので、ノロノロ自動車のうしろから、小ばしりについていきました。じゅうぶん、ついていけるほどの、のろさなのです。

とちゅうで、道化師の顔が、運転席の窓からヒョイととびだして、うしろをながめました。