Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme
しかし、いくらのぼっても、ゾウのところでおしまいです。そのゾウは、綱でぐんぐん屋上へ引きよせられているのですから、にげようとて、にげられるものではありません。
綱の長さは、もう半分ぐらいになりました。店員たちは、いっしょうけんめいです。エッサ、エッサと、かけ声をしながら機械をまわしています。
綱は三分の一になり、四分の一になり、ガスではりきったビニールのゾウが、おそろしい大きさに、見えてきました。松村は、そのゾウの腹のところに、すがりついています。真珠塔をつつんだふろしきは、やっぱり首にくくりつけたままです。
「さあ、もう、ひといきだ。がんばれっ! すぐに真珠塔は、とりもどせるぞ!」
元刑事のかけ声に、店員たちは、いっそう、力をこめて機械をまわしました。
そのときです。あっと思うまに、ハンドルにとりすがっていた店員たちが、みんな、しりもちをつきました。ハンドルがきゅうに軽くなって、からまわりをしたからです。
びっくりして空を見あげると、ビニールの巨ゾウは、はりきったガスの力で、もう五十メートルも飛びあがっていました。そして、風のまにまに、フワフワと東の方へ飛びさっていくではありませんか。