Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
宗矩の息子たちの中では、やはり十兵衛がいちばん人物だったように想像される。
隠密という特務に依って動いた者としては、むしろ柳生兵庫などの方が、その疑いが濃厚ではあるまいか。
兵庫利厳は但馬守宗矩の父、石舟斎の孫にあたっている。十兵衛とは従兄弟である。
二十五の時肥後の加藤家から懇望されて、禄高五千石で抱えられて行ったという人物である。
その折、祖父の石舟斎が、加藤清正に、
「兵庫儀は、殊のほか、短慮者でござれば、いかような落度があろうとも、死罪三度までは、おゆるしありたい」
と、頼んで約束したという。
だが、任地へ赴いてから、幾年も経たず、兵庫は加藤家を去っている。そして九年間、そのまま廻国を続けて、後に名古屋の徳川家に落着き、尾張柳生の祖となっている。
時勢が時勢だし、祖父の条件だの、清正の寛度などもあるのに、軽々に任地を去って、廻国していたなど、ただのわがままとも考えられない。すでにその頃、柳生石舟斎は子の宗矩をひいて、家康にも会い、将来の約言も得ていたから、少し穿ちすぎるが、兵庫が肥後藩を往来したのも何か裏面的な理由がそこにあったと考えられないこともない。