Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
――とにかく、義仲を仆して、都入りした鎌倉の勢力にも、もうその日から、後の非業や亡兆が約束されていたのである。こうして、過去の歴史と人間の生涯を眺めやるとき、ぼくらは、人間の愚を嗤うよりも、まず人間の盲目さを惧れずにいられなくなる。現実現実といって暮らしているが、いったい何がよろこぶべきことか悲しむべきことかさえなかなか分かり難い。
義仲の都における旭将軍らしい得意な日は、たった百日ぐらいなものであった。――義経の人生として得意な日も、また、幾日かということになろう。
共に、短い生涯、短い花しか見せていない。
けれど、人となりの違い、性格の違い、やや急転して来る時代の違いなどから、その短い人生記録は、義仲とはまた、まったく違う義経でもある。
一月二十日に入京して、二月四日には、もう京を発して一ノ谷へ向かうことになる。その間の滞京期間はわずか半月足らずでしかなかった。
だから古典平家も盛衰記も、「義仲最期」からすぐ一ノ谷へ飛んで、その間のことは、挿話もなんの記録もない。軍記物語としてはそうあってさしつかえないが、「新・平家」は、軍記が主ではないから、やがて一ノ谷、屋島、壇ノ浦と書きすすむにしても、ただちに次回から一ノ谷を書くようなことはない。