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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の健康も世の推移も度外視しているかたちである。現状のジャーナリズム常識のケタさえ外れた仕事なのだ。しかし、編集部は寛恕され、依然、べんたつしてはくれる。ただ、いかに作家自体が貪欲な構成の完結を夢みていても、それを容れるか否かは、読者の支持にあるので、作家のひとりよがりだけでは完成されないのである。といって、この長い仕事、作家の特質は、読者の鼻息ばかりうかがって興味本位だけでは書いてもゆかれないしまた、意味もない冗長になってしまおう。ここにぼくの果てない一歩一歩の畏れがある。

この春で、連載も足かけ四年になった。かえりみると、社会状態さえ変っている。被占領国はともあれ独立し、そしてなお、ぼくらの土壌には真の平和が約されたというのでもない。

出版局のデスクの人たちも、窓外往来の知人の間にも、数えきれない変化や推移が振返られる。さだめし読者諸子の身近もまたおなじであろうし、この十巻を手におなじ感慨をおもちになることであろうと思う。

なお、小なる一著者が牛歩千里して行くこの仕事のために、大方の御叱正と支援を祈ってやまない。併せて今日までの望外な御愛読にたいして心からのお礼とそして読者諸兄姉の多幸をお祈りする。