Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
それは、法然上人と遊女との話で、著名な遺蹟である。たしか法然上人行状絵巻の一図にもなっていたかと思う。
鳥羽院の承久元年、法然が、土佐の国へ流される途中、この神崎に、一夜、過ごした。
別当大納言やら大勢が別れに来たので、船中、かそけき燈をかこみ、法然は一場の法話をした。
聴衆の中に、この界隈の遊女もあまた来ていた。そのうちの「みやぎ」「かるも」「をぐら」「あづま」「大にん」の五人は、ひどく上人の話に感じ、その場で黒髪を切り、懺悔して、発心を誓って去った。
やがて数年を経、法然が、赦免になって、都へ帰るおり、この神崎で、さきの五人の遊女の消息をたずねると、彼女たちは、黒髪を切った後、相抱いて神崎川に身を投げたと聞かされ、法然が釈迦堂で二夜の遊女追善を勤修したというのである。
話はそうなっているが、どうもそれでは救いがない。橋杭にかかった五人の遊女を葬って「上塚」とよんだり「傾城塚」と称して、往時は香花が絶えなかったというのはロマンではあるが、法然伝の史実ではあるまい。布教のため作られた話だろうと思う。
法然伝には、遊女の挿話が他にもある。播州の室ノ津でも、遊女たちを教化している。