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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな美しい自然を用いて、日本はじつに数多の古戦場を作って来たから。――けれど、地球の全面、北極南極をのぞくほか、古戦場を曝していない地上はない。そして今ですら一日の休みもなく、どこかに新戦場が生まれ、どこかは古戦場と化し去ってゆく。

もし、人間の生命が、一枚の土器みたいに、たれかの手で曲投げされるような物だったらたまるまい。そんな童戯をやらせてはおかれないだろう。土器に生命はないが、人間はちがう。

談古嶺に立って、無数の白骨を思うとき、幾人が死を必然なものと受け取って死んだろうか。そんなことも考えられる。なるほど、史上の源平の合戦は、戦をさえ芸術化したかと思われるほど華やかでその中には、犠牲の美しさや、時代の道義に殉じた壮烈な魂や、人間性としても、かえって平和な社会には見出し得ない美しさや生命の火花は見られる。けれど、なおかつ、それにしてさえ、平家の人々が、歴史に示されているように、屋島や壇ノ浦や、また赤間ヶ関あたりの海底へ、一門ことごとく、死に果てたものとは、ぼくには思われない。

古今、生命の本体は変らないが、生命観は、根ざす社会によって、必然にちがう。