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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme

Aozora Bunko

見せてもらえるなら、一夜を辛抱してみたいが、科学というものを知った頭ではだめである。――ただ問う、石の清盛氏よ、広島の灯を見て君はどう思うか。君の今の感を聞かれないのが、恨みといえば恨みである。

山づたいに、上卿やしきの上を、平松公園から紅葉谷の方へ、まわってゆく。

みんなの靴音、いかにもトボトボといった感じ。空腹を思い、くたびれを思う。

田島氏、なお、道を送ってくださる。道々も、棚守やしきのこと、多宝塔の建築に唐朝風のあること。覚えきれないほど、話してくれる。いつまでも忘れないことの一つは、この厳島には、全島、どこを探しても、笹というものは一葉もない、ササなし島だということだった。また、弥山のぼりの展望の大きいことだの、管絃祭やら、百八燈籠の行事だの、耳には聞きながら、ぼくの眼は、疑うわけでもないが、ほんとに笹はないのかしら、と道ばたばかり見まわしていた。なるほど笹も竹の影もないが、よく眼につくのは、馬酔木である。大きな馬酔木がじつに多い。

紅葉谷の岩惣の離れに帰り着く。権宮司さんと門辺で別れる。着がえる。風呂へゆく。食卓につく。いつもの、談笑歓語、いつものごとく沸く。